一般的な仮骨延長装置は、方向調節能を有せず、直線的で理想的な延長が行えないことが多い。このため現状では、複雑な顎骨・歯槽骨形態を再現させることは不可能である。そこで、その問題を改良するために方向調節能を有する自由曲面仮骨延長器の開発を行う必要性が生じている。方向調節能を有する自由曲面仮骨延長器の開発インプラントの特徴として、設定した自由な曲面上に沿ってネジ構造を模した延長装置が走行できる。このため、解剖学的制約や装置の設置に起因する延長方向のズレが生じることはない.現在までの仮骨延長器は、ネジを利用しているために直線的な移動しか出来ず、本装置は自由曲面を再現できる特徴を持つために極めて独創的な構造を持つ。この研究は、この画期的なこの自由曲面仮骨延長器を生物学的、組織学的、手術の観点から、動物実験を通じて明らかにし、予知性のある優れた治療器として、臨床応用を図るためのものである。人体の中で、極めて複雑な形態を呈する顎骨・歯槽骨の再建に有用な方法として将来的に定着する可能性が高いことを確信している。 骨造成装置の素材はステンレス合金を主原料として作製した。平成15年度は口蓋骨用と顎骨前歯用の自由曲面仮骨延長器の試作とそれを用いた動物実験を行った。口蓋骨用と顎骨用の自由曲面仮骨延長器はそれぞれ5本製作した。
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