研究課題/領域番号 |
15592157
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
馬場 祥行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70251535)
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研究分担者 |
一條 秀憲 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (00242206)
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キーワード | 口蓋粘膜 / 瘢痕組織 / 器官培養 / alpha-smooth muscle actin / FGFR / TGF-β1 |
研究概要 |
本研究の目的は、器官培養系を用いたラット口蓋粘膜の創傷治癒モデルを確立し、このモデルを用いて、i)筋線維芽細胞の分化における、Smad系を介したシグナル伝達機構について、ii)筋線維芽細胞のアポトーシスにおけるASK1-MAPKを介したシグナル伝達機構について解析することである。 FGFは細胞の増殖や分化に関与し、創傷治癒や組織のリモデリングに深く関与する。そこで、瘢痕形成におけるシグナル伝達にFGFが関与している可能性を検討するために、FGFリセプター(FGFR)の発現をin vitroの系をもちいて確認した。ラット口蓋粘膜切除後28日の瘢痕組織について、FGFR1、FGFR2およびFGFR3の発現を、免疫組織化学的手法を用いて検討した。その結果、瘢痕組織中の筋線維芽細胞の核に、FGFR1の強い発現を認めた。一方、FGFR2に関しては、FGFR1よりも発現が弱く、FGFR3の発現は認められなかった。そこで、瘢痕形成期に出現する筋線維芽細胞の分化誘導因子であるTGF-β1を作用させて、in vitroの実験を行った。ラット口蓋粘膜組織由来線維芽細胞を培養し、その培地にTGF-β1(5ng/ml)を作用させた。48時間後、FGFRの発現を上記同様の手法にて検討した。その結果、TGF-β1を作用させない群においては、FGFR1、FGFR2およびFGFR3いずれもその発現を認めなかった。一方、TGF-β1を作用させた群においては、FGFR1の強い発現を認めた。また上記、in vitroの実験と同様、FGFR2に関しては、FGFR1よりも発現が弱く、FGFR3の発現は認められなかった。これらの結果より、口蓋粘膜創傷治癒過程において、FGFR1とFGFR2が何らかの役割を果たしていることが示唆された。
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