研究課題
歯科臨床において、無痛的に治療を行うために局所麻酔剤の使用は不可欠である。しかし、小児患者に対する局所麻酔剤の安全性は確立されておらず、その理由として小児を対象とした臨床治験が行えないことなどがあげられる。そこで、小児に対する歯科用局所麻酔剤の使用実態と副作用の発現状況などを把握すべく、調査を計画した。本年度は、まず調査表の作成を行い、臨床における調査を実施した。調査項目は、小児患者の年齢、体重、全身疾患、アレルギーの有無、局所麻酔経験の有無、処置内容、部位、使用麻酔剤名、投与量、表面麻酔使用の有無、麻酔効果、協力状態、術後のしびれ感、術中・術後の不快事項などである。研究代表者および研究分担者の所属する10大学を中心に、日本小児歯科学会学術委員会の協力を得て、全国29大学の小児歯科および個人小児歯科診療所6施設に調査表を配布、調査を依頼した。調査期間は平成15年10月から平成16年1月として、平成16年2月時点で21大学、6診療施設より調査用紙が回収されており、約3000症例が集まっている。回収資料については、現在、順次集計を行っており、分析を予定している。