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2004 年度 実績報告書

幼若永久歯の骨性癒着が顎の発育に及ぼす影響(歯根膜コラーゲン線維の動態)

研究課題

研究課題/領域番号 15592176
研究機関日本歯科大学

研究代表者

白瀬 敏臣  日本歯科大学, 歯学部, 助手 (20247018)

研究分担者 小方 清和  日本歯科大学, 歯学部, 講師 (90257006)
キーワード骨性癒着 / 幼若永久歯 / 再植 / 歯根膜 / 萌出 / イヌ / 水酸化カルシウム / フッ素
研究概要

幼若永久歯の骨性癒着が歯の萌出に及ぼす影響を明らかにする目的で、幼犬10頭の上顎右側第一切歯・第二切歯(延べ20歯)を完全脱臼し、フッ化物中に20分間浸漬し、抜髄・水酸化カルシウムを根管貼薬した後再植することで、幼若な個体に実験的に骨性癒着を発症させた。
前年度は動揺度や萌出レベルにおける臨床的評価を行ったが、今年度は摘出した顎骨を樹脂包埋し、切端から根尖部付近にかけて切歯歯軸に対し垂直となるように連続して非脱灰切片を作製し、マイクロラジオグラム、蛍光顕微鏡、偏光顕微鏡等を用いて病理組織学的評価を行った。
その結果、再植したすべての実験歯に骨性癒着の発症を確認した。骨性癒着には歯根象牙質を吸収し急速に置換するタイプと、癒着を認めるが急速な歯根吸収を伴わないタイプの双方が確認された。実験側の唇側歯頸側付近の歯槽骨は、対照側に比べ陥凹していた。これは骨性癒着の生じた実験歯の唇舌側皮質骨の形成量が対照側に比べ少なく、癒着した歯根表面に向けて骨がより形成されるためと考えられる。この傾向は歯頸側付近でより顕著であった。骨性癒着の進行に伴い、再植歯間の槽間中隔部幅径は対照側に比べ広くなり、顎骨内の骨梁がすう粗化していた。このような骨性癒着による骨形成の変化は、正中口蓋縫合をはさみ対照側まで及ぶことはなかった。
幼若永久歯は萌出途上にあり、歯槽骨のモデリングの中で歯列・咬合を形成していく。この時期に生じる骨性癒着は歯の正常な萌出だけでなく、萌出に伴う周囲歯槽骨の正常な発育を阻害することが示唆された。
次年度は上記資料の画像解析を進めるとともに、発育途上の個体に生じた骨性癒着歯における骨形成の動態と歯根膜との関連について突進めて行く予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 永久歯の骨性癒着が歯の萌出に及ぼす影響 第1報臨床的評価2004

    • 著者名/発表者名
      白瀬 敏臣
    • 雑誌名

      小児歯科学雑誌 42・2

      ページ: 1

  • [雑誌論文] 乳歯再植の術後経過の1例2004

    • 著者名/発表者名
      白瀬 敏臣
    • 雑誌名

      小児歯科学雑誌 42・4

      ページ: 8

  • [雑誌論文] 上顎側切歯部の埋状叢生歯を再植した1例2004

    • 著者名/発表者名
      小方 清和
    • 雑誌名

      小児歯科学雑誌 42・1

      ページ: 8

  • [雑誌論文] イヌの根未完成永久歯の自家移植における歯根膜の損傷が歯周組織に及ぼす影響2004

    • 著者名/発表者名
      黒田 暁洋
    • 雑誌名

      小児歯科学雑誌 42・2

      ページ: 1

  • [雑誌論文] イヌ根未完成永久歯における自家移植の機能的組織回復に関する研究-移植歯根表面性状の違いによる影響-2004

    • 著者名/発表者名
      黒田 暁洋
    • 雑誌名

      小児歯科学雑誌 42・5

      ページ: 11

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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