研究分担者 |
宮沢 裕夫 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90147637)
奥村 茂樹 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (80350825)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
小澤 英浩 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (60018413)
高橋 直之 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90119222)
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研究概要 |
我々のこれまでの研究から、骨吸収の亢進により骨粗鬆症を呈するOPG遺伝子欠損マウスにおいては、骨芽細胞による骨形成の亢進がカップルして認められ、この骨形成促進活性は、ビスフォスフォネートの投与によって完全に抑制されることが確認された。これは、骨吸収の亢進と骨形成の促進は共役(カップリング)していることを示しており、何らかの骨代謝共役因子が存在している可能性が立証できた。 一方、局所性の骨吸収の亢進が認められる歯周疾患や口蓋裂等における骨欠損症例に対して,骨誘導因子(Bone morphogenetic protein : BMP)を移植することにより骨組織の補填を行う試みも進行している。そこで,破骨細胞の骨形成における役割を明らかにすることを目的に,大理石骨病マウスであるM-CSF遺伝子欠損マウス(op/op)を用いて,破骨細胞が存在しない条件におけるBMP誘導性の骨形成についての検討を行った。 4週齢雄のop/opマウスと正常マウス(C57BL/6J)の背筋筋膜下にリコンビナントヒトBMP-2含有コラーゲンペレットを埋入し,異所性骨形成を誘導した。その結果、BMP誘導性の異所性骨形成(骨密度)はop/opマウスにおいて正常マウスと比較して,約3倍の促進が認められた。また、op/opマウスにおける異所性骨の外面は大変粗雑な形態を呈していた。 以上の結果は、破骨細胞が存在しないop/opマウスにおいては,BMP誘導性の異所性骨形成が著明に亢進していることを示している。また,これらの異所性骨には形態学的異常が観察されたことより,骨形成の際に出現する破骨細胞が正常な骨の形態形成に重要な役割を果たしていることが示された。
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