研究課題
基盤研究(C)
1)平成15年度2型糖尿病患者と非糖尿病患者における肥満と歯周疾患について研究を行った。2型糖尿病患者および非糖尿病患者においてBMIとHDLには負の相関が見られ、歯周疾患の症状はBMIが22kg/m^2以上の肥満した被験者およびHDLが60mg/dl以下の被験者に顕著に見られ、肥満と歯周疾患は関連があることが示された。2)平成16年度当歯学部附属病院歯周病外来を受診している2型糖尿病患者において肥満と歯周疾患の進行状態について研究を行った。2型糖尿病患者は血糖のコントロールが良好で、肥満度も非糖尿病患者と類似していた。また、両者において歯周疾患の進行状態は類似していた。この結果から、血糖のコントロールが良好な2型糖尿病患者の歯周疾患の進行状態は、非糖尿病患者と同様であることが示唆された。3)平成17年度2型糖尿病患者に非外科的歯周治療を行った場合の、炎症性メディエーターの変化について研究を行った。2型糖尿病患者では非糖尿病患者に比べてCRPおよびIL-6がより高濃度に産生され、4種の歯周病原性細菌に対する抗体産生は両方のグループで類似しており、抗体産生については同様の反応1が示された。また、非外科的な歯周治療を行った結果、臨床的、細菌学的な効果が得られたことにより、2型糖尿病患者においても非糖尿病患者と同様に歯周組織の炎症が軽減し、肝細胞からのCRP産生を誘導すると考えられているIL-6の減少に伴いCRPの減少が確認されたと考えられる。4)平成18年度2型糖尿病患者に対する歯周外科治療の効果について研究を行った。重度歯周炎を併発した2型糖尿病患者に歯周外科治療(全顎的Flap Operation)を行った結果、歯周組織の炎症は非糖尿病患者と同様に改善し、血清中のCRPおよびIL-6濃度は減少した。2型糖尿病患者の歯周治療開始時のTNF-α濃度は非糖尿病患者に比べて低い状態で、歯周治療後も有意な変化は見られなかった。この症例の血糖のコントロールの改善は主に体重の減少によると考えられるが、歯周組織の炎症の消退は炎症細胞からのTNF-α産生を抑制し、血糖のコントロールの改善に寄与することが示唆された。
すべて 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (11件)
日本歯科保存学会雑誌 49
ページ: 698-706
Program of Satellite Meeting of 10^<th> International Congress on obesity
ページ: 26
日本歯科保存学会雑誌秋季特別号 49
ページ: 248
Japan, J.Consrv.Dent. 49
Program of Satellite Meeting of 10th International Congress on obesity 26
Japan, J.Conserv.Dent., Autumn Issue Vol.49
Journal of Dental Research, Special Issue B-370 183
ページ: 83
日本歯科保存学会雑誌秋季特別号 48
ページ: 15
Journal of Dental Research, Special Issue B-362 183
Japan, J.Conserv.Dent., Autumn Issue Vol.48
Journal of Dental Research, Special Issue B-362 182
ページ: 82