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2003 年度 実績報告書

歯根膜代替移植材となる線維芽細胞シートの開発と歯周再生療法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15592192
研究機関長崎大学

研究代表者

安部 達也  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (80271112)

研究分担者 白石 千秋  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30336177)
原 宜興  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60159100)
キーワード歯周再生療法 / 線維芽細胞 / 細胞外マトリクス / フィブロネクチン / テネイシン
研究概要

歯周再生治療に応用可能な歯根膜代替移植材の開発を目指して、多層性線維芽細胞シートの作製および線維芽細胞の多層化におけるテネイシンの役割について検討した。ヒト正常歯肉由来の線維芽細胞を通法に従いコンフルエントになるまで培養し、その後transforming growth factor-β (TGF-β)、アスコルビン酸および10%牛胎児血清を添加した多層化培地、または、血清のみの培地で6日間培養した。細胞数をDNA量で測定し、細胞周期のS期の細胞をBrdUで標識した。細胞外マトリクスは免疫細胞化学的手法で解析した。血清のみの培地では、フィブロネクチン細胞外マトリクスへのテネイシンの沈着はわずかであり、線維芽細胞はコンフルエント後に増殖を停止したままであった。一方、多層化培地では、フィブロネクチン細胞外マトリクスへのテネイシンの沈着量が増加し、それと伴にコンフルエントな線維芽細胞はDNA合成を再び開始した。その結果、細胞数は増加して多層化が生じた。BrdUとテネイシンの二重染色から、DNA合成を行っている細胞の周囲の細胞外マトリクスにはテネイシンの沈着が認められた。多層化培地におけるDNA合成および細胞数の増加は抗テネイシン抗体の添加によって抑制された。テネイシン以外の代表的なmatoricellular proteinとして、トロンボスポンジンとオステオネクチンの細胞外マトリクスへの沈着を調べた結果、前者は線維芽細胞の多層化の有無に係らず強く沈着し、後者は多層化の際にわずかしか沈着しなかった。これらの結果から、テネイシンはコンフルエントな線維芽細胞の増殖と多層化を促進することが示された。今後、テネイシンによる線維芽細胞の多層化の機序についてさらに解析を進めて、歯根膜代替移植材の開発に役立てたい。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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