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2004 年度 実績報告書

歯根膜代替移植材となる線維芽細胞シートの開発と歯周再生療法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15592192
研究機関長崎大学

研究代表者

安部 達也  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (80271112)

研究分担者 原 宜興  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60159100)
白石 千秋  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30336177)
キーワード歯周再生療法 / 線維芽細胞 / 細胞外マトリクス / フィブロネクチン / テネイシン-C / α5β1インテグリン
研究概要

歯周再生治療に応用可能な歯根膜代替移植材の開発を目指して、多層性線維芽細胞シートの形成における細胞外マトリクスの役割について検討した。ヒト正常歯肉由来の線維芽細胞を通法に従いコンフルエントになるまで培養し、その後TGF-β、アスコルビン酸および10%牛胎児血清を添加した多層化培地、または、血清のみの培地で6日間培養した。細胞数をDNA量で測定し、細胞周期のS期の細胞をBrdUで標識した。細胞外マトリクスは免疫細胞科学的手法で解析した。血清のみの培地では、フィブロネクチンマトリクスへのテネイシン-Cの沈着はわずかであり、細胞はコンフルエント後に増殖を停止したままであった。一方、多層化培地では、細胞外マトリクスへのテネイシンの沈着量の増加と伴に細胞は再びDNA合成を開始して多層化した。この増殖は、テネイシン-Cの4番目と5番目のフィブロネクチンIII型ドメイン(TNfn4-5)に対する抗体の添加によって抑制された。TNfn4-5はテネイシン-Cのフィブロネクチンへの結合に関与することが知られている。そこで、フィブロネクチンレセプターのα5β1インテグリンの機能抑制抗体を添加した結果、増殖は抑制された。これらの結果から、テネイシン-Cは、細胞密度依存性に増殖を停止した線維芽細胞を再び細胞周期へ移行させて多層化を促進することが示された。このテネイシン-Cの作用機序は、線維芽細胞とFNの相互作用の修飾にあると推察された。今後、線維芽細胞の多層化の機序についてさらに解析を進めて、歯根膜代替移植材の開発に役立てたい。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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