本研究は歯周組織の再生過程、骨性癒着のメカニズムの解明を目的としているが、その過程として本年度は昨年検索したペリオスチンの局在とともにRunx2、Msx-2およびMMPなどの局在を検討し抜歯窩の治癒過程および移殖歯の歯根膜と歯槽骨の再生過程での検索の準備を行った。 1 正常組織におけるペリオスチン、Runx2、Msx-2の局在の検索 4週齢ウィスター系雄性ラットの上顎第一臼歯の組織を用いてペリオスチン、Runx2、Msx-2の局在を免疫組織化学的に検索した。その結果、ペリオスチンとMsx-2はパラフィン切片で検出できる抗体を入手できたがRunx2はパラフィン切片では反応が見られず、凍結切片による検索が必要なことがわかった。 2 抜歯窩の治癒過程におけるペリオスチン、Runx2、Msx-2の局在の検索 4週齢ウィスター系雄性ラットの上顎第一臼歯を抜去後、抜歯窩におけるペリオスチン、Runx2、Msx-2の局在を経時的に免疫組織化学的に検索する予定であるが、Runx2の検索のためにいままで作成したパラフィン標本の他に凍結標本を作製中である。 3 移殖歯の歯根膜と歯槽骨の再生過程におけるペリオスチンの局在の検索 4週齢ウィスター系雄性ラットの上顎第一臼歯を抜去し、背部皮下に移殖し、ペリオスチンの局在を経時的に免疫組織化学的に検索する予定であるが、Runx2の検索のためにいままで作成したパラフィン標本の他に凍結標本を作製中である。
|