C57BL/10ScCr(wild type)、C3H/HeJ(TLR2欠損マウス)を用いP.gingivalis381生菌10^6〜10^8に調整しその100μlを鼻腔経由ならびに腹腔経由で感染実験を行い以下の結果を得た。 1)鼻腔経由感染モデルによる検討 P.gingivalis381生菌10^6〜10^8投与による感染モデルでは、wild type、TLR2欠損マウスとも明確な症状を示さず、P.gingivalis381生菌投与24-72時間において末梢血を用いた細菌嫌気培養検査でも、P.gingivalis381は、検出されなかった。肺・肝臓・脾臓の抽出液からも細菌嫌気培養検査でP.gingivalis381は、検出されなかった。 2)腹腔投与感染モデルによる検討 P.gingivalis381生菌10^8投与による感染モデルでは、wild type、TLR2欠損マウスとも1/6(16%)のマウスで末梢血および肝臓・脾臓抽出液を用いた細菌嫌気培養検査で、P.gingivalis381が、48時間後から10^4〜10^6検出され、これらのマウスでは腹腔内に膿瘍形成を認め、マウスは死亡した。wild typeでは、TLR2欠損マウスに比べ膿瘍組織中ならびに肝臓における好中球浸潤像が強く認められたが、マクロファージの浸潤については明確な差は認められなかった。 3)腹腔好中球・マクロファージからの活性酸素産生能の検討 wild type、TLR2欠損マウスからカゼイン誘導4時間後に好中球および4日後に腹腔マクロファージを分取し、P.gingivalis381貪食刺激におけるルミノール依存性活性酸素産生能を検討したがwild type、TLR2欠損マウスの間に有意な差異は認められなかった。
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