研究課題/領域番号 |
15592205
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大久保 留加 北海道大学, 病院, 助手 (80271683)
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研究分担者 |
森田 学 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (40157904)
本郷 博久 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00281816)
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キーワード | Streptococcus mutans / 遺伝子解析 / 母子感染 / かみ与え / う蝕 / 乳幼児 / 生活習慣 / コホート調査 |
研究概要 |
離乳期のかみ与えやスプーン等に親が口をつける習慣がStreptococcus mutans(以下SM)の母子伝播や3歳児のう蝕罹患状況に及ぼす影響を調査するため、平成15年度から年2回の歯科健診と生活習慣の調査を行った。対象となる札幌市の保育園において平成17年度調査において3歳児にあたる者は181名だった。このうち、109名の園児の保護者が調査に同意した。 口うつしの調査に対し子どもに口づけをする習慣があると答えたものは68名(62.4%)、シャボン玉遊びやおもちゃのラッパなどの遊びで同じ部位に口をつける習慣があると答えたものは56名(51.4%)、子どもと同じスプーン等の食器に口をつける習慣があると答えたものが64名(58.7%)、食べ物をかみ与える習慣があると答えたものが11名(10.1%)、いずれの習慣もないと答えたものが15名(13.8%)であった。 SM数に検査簡易キッド、ミューカウントによるSMの菌数の測定では子ども102名(97.1%)、母親90名(90.0%)にSMが存在していた。この調査時点での園児の平均月齢は33.3ヶ月(27〜39ヶ月)、う蝕罹患者率10.5%、一人平均う歯数0.42本、一人平均う歯歯面数は0.54であった。また、母親のう蝕罹患率99.0%、一人平均う歯数14.97本、一人平均う歯歯面数は47.16であった。 同意者109名の内、検査実施日に出席できた母子は100組であった。全員から菌を採取し、TYCSB寒天培地でSM菌を選択培養し、コロニーを液体培地に移植して大量に培養した。100組の母子の内、母子共にSM菌を分離培養できたのは33組であった。当初はDNAが少量しか抽出できず、電気泳動による比較が上手く行かなかったが、SM菌の16SrDNAを含む1600bpの部分をPCRで増幅したところ計算通りの長さのPCR産物が得られた。また、親子関係のない3人のPCR産物の塩基配列を調べたところ16SrDNAの下流部分に配列の相違が見られた。抽出Kitを変更してから多くのDNAを抽出できるようになったので現在電気泳動によるDNAの比較を実施中である。
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