研究概要 |
平成12〜13年度に実施した予備調査結果の解析から,本調査に用いる調査票項目を一部改変した.すなわち,因子分析から日常生活障害に関する13項目は10項目に,日本語版マギル疼痛質問票歯科領域版も元の24表現から13表現に減らすことができた.さらに顎関節症の症状維持に関連する寄与因子の調査項目は,yes/noの回答から5段階のリッカートスケールに変換した.また予備調査の段階で頭痛を訴える症例,あるいはかみあわせの違和感を訴える症例がしばしば見られていることから,これらの質問項目を加えるとともに,予備調査と同様に不安および抑うつをスクリーニングするためHospital Anxiety and Depression Scale (HADS),ならびに神経症と外向性性格傾向調査票であるEysenck Personality Questionnaire Short-from (SEPQ)を含めて本調査票を完成した. この調査票を用いた来院患者での横断調査は,東京医科歯科大学歯学部および東京慈恵会医科大学・医学部における倫理委員会の承認を経て2003年9月から開始した. 症例の選択基準は1.除外診断法にて他疾患の鑑別が終了している.2.日本顎関節学会診断基準に準ずる一次診断がついている.3.顎関節領域ないし咀嚼筋等に1週間以上継続する疼痛を有する.4.年齢12歳以上.5.新患ならびに他施設からの治療継続依頼患者を問わないが服薬中の患者ではWashout期間をおく,とし,除外基準は1.他疾患に由来する疼痛を有する.2.系統的骨・関節疾患を随伴している.3.12歳未満.4.消炎鎮痛薬,抗不安薬,抗うつ薬,抗精神薬を定期的に服用している.5.第二大臼歯単独欠損を除く放置臼歯部欠損があるとした. 2004年1月末段階でインフォームド・コンセントを得た約100名の対象患者から質問票を回収し,順次データベースを構築しつつある.
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