研究概要 |
東京医科歯科大学歯学部附属病院顎関節治療部に咬み合わせ異常感を主訴として来院し選択,除外基準を満たした,咬み合わせ異常感患者15人,コントロール群として本学職員・学生より正常者25人に対し,以下の測定を終了した. 咬合接触状態の検査として,1)咬合接触点の測定(オクルーザルレジストレーションストリップスによる引き抜き試験),2)咬合力の測定(咬合力測定用感圧フィルム(デンタルプレスケール)を用いた,オクルーザーによる解析),3)咬合接触面積の測定(咬合印記材料による咬合採得). 社会心理因子の検査として,自己記入式心理テストを用いて,1)不安,抑うつの測定(Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS)),2)外向的・神経症的性格傾向の測定(Eysenck Personality Questionnaire Short form (SEPQ)). これらの測定結果について,単変量の統計的解析を行った結果,咬合接触点に関して,患者群と正常者群で差があるとはいえなかった,また,不安,抑うつについても,統計的有意差は認められなかった.この結果の一部について,雑誌投稿中である.現在,咬合力,咬合接触面積,性格傾向について,単変量解析を継続中である.さらに,多変量ロジスティック回帰分析により,測定した咬合接触状態・社会心理的因子における,咬み合わせ異常感の発現に関与する危険因子について解析を行っている.
|