研究課題/領域番号 |
15592233
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宮里 邦子 広島大学, 医学部, 助教授 (90304427)
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研究分担者 |
村田 潤 広島大学, 医学部, 助手 (00304428)
松川 寛二 広島大学, 医学部, 教授 (90165788)
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キーワード | 足浴 / 妊婦 / 心臓副交感神経 / R-R間隔 / 呼吸性不整脈 / FFT(高速フーリエ交換) / HF(高周波成分) / 子宮頚部 |
研究概要 |
足浴による分娩促進効果を明らかにするために、子宮体部が交感神経に、子宮頚部が副交感神経に支配されていることに着目した。本研究では、とくに子宮頚管の閉鎖・開大に関与するといわれている副交感神経の活動の変化をみることとした。 しかしながら、子宮の自律神経への影響を非侵襲的に調べることは困難である。そこで、今回、基礎的研究として、妊婦について足浴による心臓副交感神経の変化を観察することを目的とした。 妊娠週数31〜32適の妊婦5名を対象に、足浴前25分間の安静の後、15分間の足浴を行い、その後、さらに15分間、足浴後の状態を比較した。 心臓副交感神経の活動は、心電図R-R間隔の呼吸性不整脈の大きさに比例するといわれていることから、指標として心電図R-R間隔の呼吸性不整脈のamplitudeを用いた。またパワースペクトラム分析により、FFT(高速フーリエ交換)をもとめ、R-R間隔の呼吸性不整脈のHF(高周波成分)のピーク値の変化を観察した。 その結果、足浴中において、呼吸性不整脈のamplitudeは有意に減少し、足浴後は回復していた。また、パワースペクトラム分析により、R-R間隔の呼吸性不整脈のHF(高周波成分)のピーク値も足浴中において有意に減少していた。よって、足浴は心臓副交感神経の活動を小さくすることが考えられる。これらのことから、足浴により、子宮頚部を支配している副交感神経の活動も小さくなることが推測され、その働きである頚管を閉鎖する作用が緩められるために、分娩第一期に足浴を行うと分娩が促進されるのではないかと考えられる。
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