研究課題/領域番号 |
15592235
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
垣花 シゲ 琉球大学, 医学部, 教授 (50274890)
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研究分担者 |
岩永 正明 琉球大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00112384)
植村 恵美子 琉球大学, 医学部, 講師 (00223503)
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キーワード | 看護師の意識 / 院内感染 / 標準予防策 / 黄色ブトウ球菌 / 医療低開発国 |
研究概要 |
平成15〜16年度に実施した看護師に対する意識調査と実態調査および院内耐性菌MRSAの動向調査からラオスの院内感染に関する問題点として次の課題が明らかになった。 1.院内感染対策として最も重要な「手洗い」の実施率(実施回数/必要状況数)が18.3%と低く、個人差は0〜60%と大きかった。 2.手洗いの手技は不適切な者が多かった。 3.以上のことから手洗いの意義の理解が低い、正しい手洗い方法が指導されていないことが示唆された。 4.実態調査を行った2病院の比較では、病院間に差が見られたが統計的な有意差はなかった。 5.手洗いに必要な設備・物品が不足している。 6.院内耐性菌MRSAの動向はラオスの病院がMRSA汚染の初期段階を表していると考えられる。 最終年度の本年は、 1.調査結果をラオス2病院の病院長および看護スタッフに報告書を提出した。2病院の看護スタッフに対しては報告会を開いて、直接、報告した。 2.これらの課題について2病院で検討会を持ち、ラオスの看護師の意見、アイディアを述べてもらって、自国に合った院内感染対策について考える機会とした。検討会には50名程度の参加者があり、活発な意見交換が行われた。この結果、ラオスの看護師は学ぶ機会を求めているが勉強会・研修会等の知識を高める機会が少ないことがわかった。 手洗いの意義の理解が低かったことと個人差が大きかったことから看護基礎教育および卒後院内教育において、系統的に教育していく必要性が示唆された。これが今後の課題であり、ラオスの看護学校の教員、病院の看護部長等との会議を開き、将来に向けて連携の継続を確認した。
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