研究課題/領域番号 |
15592236
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎看護学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
大日向 輝美 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (30223944)
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研究分担者 |
堀口 雅美 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (10217185)
田野 英里香 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (90336412)
福良 薫 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (30299713)
稲葉 佳江 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (90159955)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 看護事故 / 看護技術 / リスク予見 / 看護教育 / 教育方法 |
研究概要 |
1.研究目的: 看護大学生の看護技術にかかわるリスク予見能力を育成するために、事故防止に関する技術教育プログラムを構築する。 2.実施状況 平成15年度:(1)国内外の文献の検討。(2)大学4年の看護学生を対象に看護事故に関わる基礎的知識の習得状況を調査。(3)同学生を対象に、与薬事故と転倒事故の事例を用いたリスク・アセスメント能力の実態把握。(4)教育プログラムの構築に向けた事故防止に関する授業プラン(試案)の作成。(5)授業プラン(試案)に基づくプレ授業の実施。 平成16年度:(1)前年度のプレ授業を評価し、授業プランを立案。(2)卒業直前の看護学生を対象に、看護事故に関わる基礎的知識の習得状況、リスク・アセスメント能力を調査(前年度と同内容)。(3)卒業直前の看護学生を対象に、授業プランに基づく実験授業を実施。 平成17年度:(1)前年度実施した実験授業を評価し、授業プランを改訂。(2)改訂授業プランに基づく実験授業を実施。(3)実験授業を分析考察。今後に向けた課題検討。 3.研究成果 看護事故にかかわる基礎的知識の習得状況では、与薬などの診療補助業務に関する基礎的知識、事故発生要因に関する認識の低さが明らかになった。また、看護事例を用いたリスク・アセスメントでは、与薬業務に絡むリスク予見よりも、療養生活における転倒事故のリスク予見の低さが顕著に認められる結果であった。学生は患者の身体状況や病室・病棟などの物理環境には目を向けるが、人間の行動特性や個人の価値・信念といった精神・心理的な側面にはほとんど着眼していなかった。また、夜間の看護者不足など看護体制に内在するリスクを類推していた者は殆どいなかった。これらより、日常の療養生活に潜在するリスク予見は学生にとって難度の高いものであることが推測された。 以上の結果をもとに授業プランを作成し、実験的授業を試みた。その結果、卒業間近の学生を対象に作成した授業プランには一定の効果があることが認められた。しかし、看護事故に関するリスク予見は、現実場面でリスクに遭遇したときに求められるものであることを考慮すると、より現実感のある教育方法を考案する必要性がある。
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