研究分担者 |
山内 一史 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (20125967)
松田 正己 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (90295551)
唐澤 由美子 長野県看護大学, 看護学部, 助教授 (40277893)
中村 恵 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (00363888)
井口 弘子 中部大学, 生命健康科学研究所, 助教授 (60345907)
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研究概要 |
本研究で実施したこと,得られた成果を以下に示す。 1.全国の看護学生を対象とする臨地実習中の患者情報のメモの実態に関する調査(H15年度):全国180の看護系大学,看護専門学校の学生を対象とする質問紙調査。回答数:1,192人(回収率56%)。学生のメモには,患者に関する多くの個人情報が含まれること,患者のフルネームをメモしたことがある学生が約6割いることなどが明らかになった。 2.患者情報の共有の実態についての調査:看護師100名を対象とする質問紙調査。看護師は既往歴,家族構成などを患者としてのプライバシー性が高い情報だと認識していることなどが明らかになった。 3.看護師のプライバシーの認識,他職種との情報共有の実態調査:2県3施設の看護師合計710名を対象とする質問紙調査。もっともプライバシーの程度が高いと認識された項目は,経済的能力に関するものであること,共有範囲の実際は,診断名は76%,感染症の有無は90%が病棟全体で,家族構成,排泄習慣やバイタルについては,病棟全体とチーム内がほぼ半々であるなど,項目によって共有範囲に差があることなどが明らかになった。 4.患者情報のプライバシーおよび情報共有の在り方についての半構成面接調査:2県2施設の看護師13名,入院患者17名(内科、外科)を対象。患者は個人情報を余りプライバシーに関することだと認識していないこと,共有に関しては,誰が共有するかによって異なるが,病棟内の医師および看護師なら、自分のすべての情報を共有しても良いと思っていることなどが明らかになった。 以上の調査などを系統的に行い,患者情報のプライバシーを考える上で,項目ごとに,誰と共有するかを具体的に検討することの必要性,具体的な問題点等を明らかにした。
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