研究課題/領域番号 |
15592248
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎看護学
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研究機関 | 東北大学 (2005) 広島国際大学 (2003-2004) |
研究代表者 |
丸山 良子 東北大学, 医学部, 教授 (10275498)
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研究分担者 |
山本 真千子 宮城大学, 看護学部, 教授 (20295380)
佐藤 都也子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (30321136)
杉山 敏子 東北大学, 医学部, 助教授 (90271957)
渡邊 生恵 東北大学, 医学部, 助手 (30323124)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 嚥下困難 / 体位 / 心拍変動 |
研究概要 |
医療および看護の質を保証し、広く国民の生命を守り、健康の保持に寄与するためには医療や看護が科学的根拠に基づいて行われなければならないことは言うまでもない。しかし、実際の看護場面では、経験的、習慣的あるいは看護職の直感に基づいた看護援助が行われていることも事実である。 本研究は、看護に日常生活援助として頻繁に行われている食事援助時の体位に焦点を当て、嚥下困難のある高齢者や障害のある対象者に対する安全で安楽な体位を選択することのできる根拠を見いだすことを目的に行った。嚥下性肺炎や窒息の危険性を回避するために行ってきた食事援助時の体位の選択には、国内外の文献的検討からもほとんど根拠に基づいた援助の行われていないことが明らかになった。そこで、食事援助における体位について、健康成人男子を対象に、ベッドを30度、45度、60度、90度と挙上させ心電図のR-R間隔から心拍変動解析を行った。心拍変動は、心拍の周期的変動の周波数成分をパワースペクトル解析し、低周波成分(LF),高周波成分(HF)に分け、HF成分を副交感神経活動、LF/HF成分を交感神経活動の指標として評価する方法である。今回の検討により、90度挙上では明らかな交感神経活動の賦活化が認められ、45度以上挙上させることにより同様の効果が認められた。嚥下困難が喉頭挙上と関係があることが予測されており、今後自律神経活動と喉頭挙上の関連性について筋電図を同時に測定することにより検討したいと考えている。嚥下性肺炎や窒息の危険性を少なくするために、経腸栄養や完全静脈栄養に比較的容易に移行する傾向が見られとの指摘もある。口から食べられないことによる口腔内への種々の刺激は失われ、楽しみとしての食を失っていることも事実である。われわれ看護職は、口から食べることの意義を十分理解し、摂食、嚥下についてのメカニズムに習熟した上で、対象となる高齢者や障害のある患者への適切な援助を行う必要がある。したがって、さらに嚥下のメカニズムに関する根拠を明らかにしていく必要があるものと考える。
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