研究課題/領域番号 |
15592250
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研究機関 | 西南女学院大学 |
研究代表者 |
窪田 惠子 西南女学院大学, 保健福祉学部看護学科, 助教授 (20309991)
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研究分担者 |
栃原 裕 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (50095907)
吉武 美佐子 西南女学院大学, 保健福祉学部看護学科, 助手 (50320388)
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キーワード | 在宅高齢者 / 浴室環境 / 脱衣室環境 / トイレ環境 / 設備 / 推奨基準 / 世帯構造 / 身長 |
研究概要 |
高齢者が居住する住宅の浴室・脱衣室・トイレ環境の現状を明らかにし、安全、安楽面からの検討をおこなうことを目的とし、195名の高齢者が居住する住宅の浴室・脱衣室・トイレ環境について実測調査を行い、世帯構造、身長および年齢との関連について分析し、以下に示すような結果が得られた。 1)浴室・脱衣室環境と世帯構造については、高齢者単独世帯ほど、推奨基準を満たしていないものが多く設備面においても空調機器、非常設備、浴槽内設備、入浴補助具の設置も低く問題点が明らかとなった。また、単独世帯と夫婦のみ世帯には、浴槽の形態は和式浴槽が多く、和式は、浴槽縁が高いため、湯をくみ出すことによる循環動態への影響や浴槽への出入り時に支障をきたすなどの問題点が考えられた。さらに、浴室と脱衣室の段差は、全世帯の約80%に推奨基準より高い段差がみられた。 2)身長と浴室サイズおよび身長とトイレサイズとの関連については、身長が平均より高い群は、推奨基準を下回っている場合において、不満がやや多くみられた。今後、平均身長が高くなることも予想しながら、身長の高低の幅に対応した推奨基準の必要性が明らかとなった。 3)年齢別では、子供世帯と同居の世帯の後期高齢者の住宅の方が、浴室・脱衣室のサイズ面、設備面で安全対策がなされていた。 4)対象者の健康状態は、既往歴があり、現在も通院中、内服薬を服用中、体調不良があるものがほとんどを占めていた。トイレの使用回数は個人差がみられ、4回〜24回と大きな幅がみられた。就寝中のトイレの使用回数が後期高齢者ほど有意に増加していた。 5)寝室からトイレまでの距離が、約20mと距離が長いものが多数みられた。トイレ環境の現状は、空調機器、非常時の通報装置、手すりなどは低い設置状況であった。トイレの空調機器がないため、下着を脱いで排泄を行う時に冬期は寒冷に曝され、また、排尿回数が多い高齢者は、夜間も数回寝室からトイレの往復を繰り返すため、トイレまでの移動環境も含めてトイレ環境として温熱環境、段差の解消、手すりの設置など安全や安楽性を検討する必要がある。また、高齢者の入浴中の事故を防ぐために、単独世帯だけでなく、すべての世帯において年齢や身長に応じた浴室・脱衣室サイズや設備の改善が求められる。
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