研究課題/領域番号 |
15592253
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋子 北海道大学, 医学部, 助教授 (90162502)
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研究分担者 |
森下 節子 北海道大学, 医学部, 教授 (80191021)
良村 貞子 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10182817)
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キーワード | 小児看護 / リスク・マネージメン / 医療事故 / 転倒・転落 / プリパレーション |
研究概要 |
小児医療において、いわゆる院内感染事故は大きな問題であるが、とりわけ、小児領域では、風疹、水痘、麻疹等の小児期に特有の感染症は患者の治療過程や院内感染に大きな問題を呈する。そこで、小児看護、母子看護領域における、特に看護学生実習中の小児期感染症の感染事故と対応について検討した。研究代表者が過去5年間に学生が関係した感染事故(含む未遂事故)は、4件であった。白血病(ALL)患児を担当した学生に発症した帯状庖疹の事案、小児病棟実習中に直前の外部施設の実習で疥癬が発症していたことが発見された事案、小児看護学実習で学生が担当していた患児に水痘が発症した事案、実習中に医療スタッフが麻疹感染の可能性があった事案などである。これらに対しては、安全委員会などを設置し、(1)損害賠償保険の加入、(2)事故報告書の徹底、(3)連絡経路の徹底、(4)結核および小児期に特有な感染症への予防対策、(5)B型肝炎・C型肝炎のスクリーニング、等の活動を行なうことが重要と考えられる。加えて、現行の小児期感染症の予防対策として、小児看護に従事する者は、学生も含めて、風疹、麻疹、水痘などに対し、(1)既往感染歴および予防接種歴の確認、(2)抗体価検査の実施、(3)陰性と診断された者に、ワクチン接種の指導、(4)ワクチン接種の確認が重要である。また、基礎教育機関は、実習施設との連携をはかり、情報のルートを確立し、学生実習配置も考慮することが事故予防上重要である。 医療事故判例については、本年度はSIDSに関係する新生児、乳児の事故に関する判例が数件あるが、現在分析中である。また、事故予防マニュアル、事故予防のための子供を対象としたプリパレーション・ツールについても、情報収集ならびに内容検討を継続している。
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