研究概要 |
目的:児の泣きは、育児ノイローゼや虐待を生じさせる危険性につながるものであり、このような状況を予知し、育児困難感や不安の軽減に貢献できるケアへと活用するために、児の泣きに対する母親の困難感を測定するための尺度を開発する。 方法:1.育児困難感尺度の作成 2.予備調査の実施 結果:1.育児困難感尺度の作成 1)尺度項目の構成を検討 これまでに行なってきた母親に対する面接と生後1ヶ月、4〜5ヶ月、1年時の縦断的調査の分析結果から、母親の育児困難な状況やそれに関連する要因などを整理し、泣きに対する育児困難感の概念枠組みを検討した。 2)育児に関連した既存の尺度について文献検討を行なった。 "crying", "stress", "scale", "screening", "infant care","母子関係"などのkey Wordsから国内外の文献や尺度等を読み合わせた。尺度については、母親の育児全般に対する不安や、愛着に関するもの、育児ストレスを測定するものなどがみられたが、児の泣きに着目したものはみられなかった。そこで、米国において育児ストレスを測定するために開発されたParenting Stress Index (PSI)の日本版を参考に、児の泣きに着目した尺度項目を検討した。 3)作成した尺度については、育児中または育児経験者である母性小児看護学講座の研究者数名の協力を得て、内容妥当性を検討した。項目の表現および回答の難易度、項目数等について検討を加えた。 2.予備調査の実施 産科施設の協力を得て、1ヶ月健診に訪れた母親を対象に、プレテスト実施中である。 次年度の課題:1)プレテストにより、項目数の量と回答の難易度、および回答に要する時間などを再検討の上、項目の見直しを行う。 2)育児困難感尺度を用いた質問紙調査の実施 3)育児困難感尺度の信頼性と妥当性の検討
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