研究課題/領域番号 |
15592261
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
坂口 けさみ 信州大学, 医学部, 教授 (20215619)
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研究分担者 |
山崎 章恵 信州大学, 医学部, 助教授 (50230389)
楊箸 隆哉 長野県看護大学, 教授 (90191163)
湯本 敦子 信州大学, 医学部, 助教授 (10252115)
阪口 しげ子 信州大学, 医学部, 教授 (90126863)
上條 陽子 信州大学, 医学部, 助手 (50336624)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 女性 / 便失禁 / 尿失禁 / リスク要因 / QOL / コーピング |
研究概要 |
近年高齢化が急速に加速進展していく中で、看護者は人々の生活の質(QOL)の向上に焦点をあて支援することが求められている。その中で精神的、社会的問題として注目されているものに「女性の尿失禁」がある。しかし最近、「尿失禁」と並んで分娩後の「便失禁」の頻度が予想以上に多いことが諸外国において報告されている。これらの状況を背景として、平成15年度には我が国における便失禁の実態と関連要因について検討し、報告してきた。平成16年度にはそれらの結果に引き続き、便失禁を有する女性のQOLの実態について、アンケート調査から明らかにした。平成17年度には、便失禁を有する女性のQOLと尿失禁を有するQOLの程度を比較すると共に、便失禁を有する女性の便失禁に対する思いやコーピング(対処)について追跡調査を行った。我が国において便失禁はおよそ3%の頻度で発症していた。便失禁の発症に関するリスク要因としては器械分娩、圧出分娩および分娩時の肛門括約筋の裂傷が上げられた。便失禁を有する女性の心理・社会的ストレス度は、尿失禁を有する女性よりも有意に低下しており、自尊感情は顕著に低下していた。また、便失禁に対する思いやコーピング(対処)について追跡調査を行った。その結果、いずれの女性も漏れたときはショックであった、こんな事が起こるとは考えてもいなかったと思いを述べた。コーピングをみると、漏れたらすぐ下着を換える、パットやナプキンを使用する、下痢をしないようにする、トイレを我慢しない、早めにトイレに行くなどの回答があったが、受療行動には至らなかった。以上、便失禁は予想以上に多く発症し、女性のQOLの低下を引き起こすことが明らかとなり、今後便失禁に対する啓発運動をより積極的に行っていくとともに、便失禁に対する治療やケアなど支援方法を確立する必要があることが示唆された。
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