研究課題/領域番号 |
15592270
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
内藤 直子 香川大学, 医学部, 教授 (00290429)
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研究分担者 |
橋本 有理子 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 講師 (70368413)
白井 瑞子 香川大学, 医学部, 教授 (60314910)
佐々木 睦子 香川大学, 医学部, 助教授
井関 敦子 三重大学, 医学部, 助手 (10363201)
植村 裕子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 助手 (50353149)
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キーワード | 子育て観尺度(CPS-M97) / 子育て満足感・生きがい感(CPS-Mの下位尺度) / 子育て負担感・不安感尺度(CPS-Mの下位尺度) / 0〜3歳児 / 専業母親 / 子育て支援 |
研究概要 |
(1)調査対象者の概要:就業母親126票と専業母親206票を分析し、平均年齢は就業母親32.98歳、専業母親31.67歳、世帯類型は共に配偶者・子どもとの世帯が一番多く、育児で最も頼りにしている家族(配偶者を除く)は共に、実母、義母の順に多くかった。なお、子どもの人数は、就業母親1人(41.5%)2人(39.0%)、専業母親1人(46.7%)2人(40.7%)であった。 (2)変数の概要:(1)拙著らの0〜3歳児の乳幼児を持つ専業母親用の子育て観尺度(CPS-M97)の下位尺度である、子育て満足感・生きがい感尺度と子育て負担感・不安感尺度は各6項目から構成。(2)自尊感情尺度や、配偶者、家族、育児仲間援助評価(各援助者から提供される援助への母親の評価:各14項目)、夫との子育て会話量、社会性による子育て観(子育てを通じて、近所づきあいなどの交流や活動に恵まれ、母親自身の成長の糧になる考え方)が設定されている。 (3)結果と考察:(1)夫との子育て会話量と子育て負担感・不安感との間には有意な負の相関が認められた。(2)配偶者援助評価及び家族援助評価と自尊感情との間には有意な正の相関が認められ、配偶者や家族の援助を通し母親は孤立を感ぜずに、自己を大切な存在として受けとめられる。(3)子育て観類型^<(※)>の否定型の専業母親は、両価型の母親より自尊感情が有意に低く、子育て負担感・不安感が同様に低い場合でも、一方の子育て観を肯定的にみるアプローチを周囲が行えば専業母親の精神的健康を高められると考察できる。 (※)子育て観類型とは、CPS-M97の二下位尺度の二軸直交の四類型(否定型(子育て満足感・生きがい感が低く、子育て負担感・不安感が高い)、両価型(両尺度共に高い)、自然型(両尺度共に低い)、肯定型(前者が高く、後者が低い))で、子育て観類型の判別基準表を作成している。 (4)(1)比較分析のタイ王国調査は258票を分析、(2)専業母親と家族への育児支援のハンドブックを作成、(3)父親の子育て事象を検討し、総90頁で成果報告書を作成した。
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