研究課題/領域番号 |
15592272
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
古川 文子 国立大学法人香川大学, 医学部, 教授 (70342342)
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研究分担者 |
宮武 陽子 国立大学法人香川大学, 医学部, 教授 (90157660)
真鍋 芳樹 国立大学法人香川大学, 医学部, 講師 (40181812)
大森 浩二 国立大学法人香川大学, 医学部, 助教授 (00263913)
藤田 憲弘 国立大学法人香川大学, 医学部, 講師 (40322268)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | 虚血性心疾患 / 女性患者 / 冠リスク因子 / 身体活動量 / 安静時エネルギー消費量 / 健康関連QOL |
研究概要 |
目的:虚血性心疾患女性患者における日常生活での身体活動に関連した心身両面での実態の把握およびそれに対する支援方法の開発に必要な基礎資料を得る。 方法:退院時から1年目までの4時点における縦断的量的研究では身体活動量、安静時エネルギー消費量、QOL等を測定した。さらに、質的研究では同参加者の一部に半構成的面接を行い、「心疾患を患うことの体験の意味」に関する特性を記述した。 結果: 1.対象者は13名(年齢50〜75)、この内1年目測定終了者は9名(最終者測定17年8月予定)となり、半構成的面接法を用いた質的研究での対象者は7名となった。 2.量的研究では、(1)安静時エネルギー消費量は年間を通して増加するが(17.2から23.6kcal/kg/day)、同世代女性に比べ低い。(2)歩行を中心とした身体活動エネルギー量(1.30から1.39kcal/kg/day)も歩数(3566から3903歩)も同年世代より少なく、自宅内活動が中心であった。(3)退院時左室駆出力は64.8(40-78)%だが、3ヶ月目までの身体活動量に有意な比例を示さなかった。(4)疾患特有症状では、薬物によるコントロールで安定していた。(5)1年後の冠リスク因子の内、食事療法の固守率は低下し、身体活動量は拡大しなかった。(6)健康関連QOLは1年間を通して顕著な変化は認めず、慢性疾患患者のQOLと比べて低値であった。質的データ分析では、(1)《突然の再発作による日常の連続性途絶の不安》と《再発作回避のための負担軽減最優先による保守的対処》というコアカテゴリーが抽出された。 結論:症状は薬物療法でコントロールされているが、日常生活での身体活動量が居住空間内に限定されやすく、健康関連QOLの改善度も低い。発作不安への防御的対処行動に関連した、身体低活動によるひきこもり型生活になりやすい実態が明らかとなった。安心して身体活動を維持・拡大できる自宅療養生活圏内での性差を考慮した身体活動支援の必要性が示唆された。
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