研究概要 |
今年度は、平成15年度の研究成果をもとに、ケアマネジメントのプロトコールを作成し、その妥当性を検討した。精神看護のエキスパート看護師20名に作成したプロトコールについて半構成的インタビューを行い、ケアマネジメントのプロトコールの妥当性について検討を行った。その結果、ケアマネジメントにおいて、入院時からの退院調整の必要性、退院時調整のための家族に関する支持・教育の頻度と回数、医療チームミーテイングの回数の設定、退院後の支援体制と支援場所の具体的方法の設定、入院前のセルフケアレベルの把握と生活の把握の仕方が最も重要であることが明らかになり、この点について加筆を行った。 さらに平成16年10月から12月までケアマネジメントのプロトコール実施におけるトレーニングを行い、1週間に1回のケースカンファレンスを行い、14のケースについて訓練を行った。さらに平成16年12月以降、菊陽病院急性期治療病棟及び光愛病院急性期治療病棟に入院した患者で同意の得られた統合失調症と分裂病性感情障害患者50名に実施し、GAF, BPRS, NEEDS, SEF-CARE, MEDICATION, SOCIAL NETWORKについて、2週間ごとに評価を行い、また退院後は外来で、1ヶ月ごとにこれらの評価を行っている最中である。また同時に彼らにケアを提供している看護師10名にインタビューを行い、ケアマネジメントを個別に実施した際、最も重要視して行ったケアについて述べてもらっている最中である。 現在までの段階では、ケアマネジメントのプロトコールに関する評価はできていないが、退院後1年間を通して平成15年度のケアマネジメント実施前のデータと比較する予定である。
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