研究課題/領域番号 |
15592278
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
今野 美紀 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (00264531)
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研究分担者 |
丸山 知子 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (80165951)
和泉 比佐子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (60295368)
澤田 いずみ 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (50285011)
上村 浩太 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (00381278)
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キーワード | 受動喫煙 / 禁煙 / 小児 / 親 / 看護学 |
研究概要 |
1.入院児の親を対象とした「禁煙と健康支援活動」の教育的介入に関する継続的評価 今年度も調査を重ね、12名の親からデータを得た。全対象者61名のうち喫煙者は14名で、継続調査に応諾した喫煙者は7名であった。入院時点から3ヵ月後、6ヵ月後、1年後に調査用紙を送り、4名から回答があった。調査期間中に禁煙を試行した者は4名中1名であった。この事例と喫煙を継続した3事例とを比較で示すと、まず、禁煙事例は母子入院時より一酸化炭素濃度測定を行い、自分の喫煙の影響を客観視する行動に携わり、経過の中で自ら禁煙する時期を「次の母子入院の機会に」と決めることができた。結局、1年後は再喫煙となってしまったが、禁煙志向の態度を維持していた。一方、喫煙継続事例では、喫煙の知識がよくあり、わかってはいても喫煙の健康影響を過少評価し、楽観する認知的な歪みが生じていることが考えられた。 2.病棟看護師との学習会と看護師の変化からみた活動評価 3回の学習会を行い、看護師の認識、行動の変化についてはグループインタビューし、内容から質的に評価した。その結果、看護師は無関心な喫煙者に対応する困難さや子どもの障害のリスクゆえに喫煙を話題にする躊躇を覚えていた。看護師の努力だけではどうすることもできない、親の禁煙意思に影響を与える環境の大きさを感じながらも、入院児の親の禁煙試行を励まし、子どもの健康と関連づけて禁煙の動機付けを高めるよう情報提供していた。そして禁煙する気のない親には子どもの前での分煙をすすめる等を行っており、看護師が独力でできる活動に携わっていた。禁煙と健康支援に関わる教材類(禁煙図書、自動血圧計、一酸化炭素濃度計)を病棟に備えたことは、病棟として親の禁煙への関心を喚起し、禁煙を話題にしやすい雰囲気を醸成することになったと評価した。
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