研究課題/領域番号 |
15592281
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
兼松 百合子 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (20091671)
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研究分担者 |
中村 伸枝 千葉大学, 看護学部, 教授 (20282460)
平賀 ゆかり 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (80336437)
天野 洋子 岩手県立大学, 看護学部, 助教授 (40316211)
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キーワード | 2型糖尿病患児 / 学校検尿 / 養護教諭 / 学校生活 / 療養指導 |
研究概要 |
子どもの生活環境やライフスタイルの変化により増加の傾向がみられる2型糖尿病患児を学校検尿により早期に発見し、管理を徹底するために、養護教諭がどのような役割を果たすことができるか、そして養護教諭がよい役割を果たすための指導書を作成することを目的として、次のように実施した。 1)平成15年2-3月に、岩手県内の小児科・内科を標榜する医療施設を対象に、郵送による質問紙調査を実施した。278施設(50.3%)から回答が得られ、内科61%、小児科16%、校医147人の内、内科医96人、小児科医33人で、285校を担当していること、278施設中糖尿病児がいるのは24施設で、患児は63人であること、学校と医療施設との連絡状況等が明らかになった。 2)平成15年10月に岩手県内の小・中・高・盲・聾・養護学校の計780校の養護教諭を対象に質問紙調査を行い、有効回答594校の内、糖尿病患児が在籍しているのは54校(9.1%)、患児は67人(1型41人、2型26人)、患児と養護教諭との関わりの内容や養護教諭が困難に感じていること、詳しく知りたいこと等が明らかになった。 3)岩手県の学校検尿を担当している1検査施設を訪問し、尿糖検査の結果は単年度の処理であり結果を学校に通知しその後は学校に任せていること、尿糖陽性者の累積はこれから始めるところであること等が明らかになった。 4)岩手県内の2医療施設に通院中の患児と母親、ならびに千葉つぼみの会のメンバーである患児と親に面接し、学校生活・家庭生活の状況、学校関係者や医療施設に望むこと、困難に感じていること等を把握した。また、患児と親が了承した場合に養護教諭を訪問し、患児への対応の状況や、困難を感じていることを調査した。 5)カリフォルニア大学ロスアンゼルス校附属小学校ならびにサンタモニカの1公立小学校を訪問し、養護教諭の役割や糖尿病児童への関わりを調査した。公立の学校では養護教諭は複数の学校を担当しており、養護教諭が不在の日もあるが、主治医の指示が詳細であり、糖尿病療養指導士にいつでも指導を仰ぐことができる状況であった。ロスアンゼルス小児病院の総合小児糖尿病センターでは新規患者が5-10例/週と多く、糖尿病療養指導士が栄養士や臨床心理士とともに全面的に指導を担当している。またスクールナースへの教育やスクールナースからの相談窓口も開設している。2型糖尿病の予防活動として、健康な食事や運動に関する全国規模の啓発活動を推進している。
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