研究概要 |
1,育児支援ボランティア利用者の評価について 1〜3ヶ月間の育児支援ボランティアを利用した5名の母親に対して、その効果についての面接調査を行った。その結果、全員が育児生活の不安定な時期に、家事・育児の支援を得られることについて、肯定的な評価であった。特に第2子以上の子供を出産した母親では、上の子の遊び相手や家事の手伝いを求めており、また、外出できないための外部の人との接触や気分転換、双子の子育ての手伝いなどでニーズが強かった。活動における課題では、ボランティアメンバーに対する連絡方法に改善の必要性が明らかになった。 2,ボランティア提供者の評価について 5人の利用者に対して、1人に3〜6人のボランティアチームとしての支援を提供した。地域住民及び、大学生、コーディネーターとしての教員に対するグループインタビューの結果では、子育て家族の実態に触れ、子供の成長や母親の大変さ、母親の生活適応の経過などが学びになっており、地域住民にとっては、やりがいや子育てへの参加の楽しみなどが活動継続の志望につながっていた。課題は、メンバー及び利用者との連絡方法に関する事であった。 3,活動モデルの改善と実施 利用者及び提供者の評価をふまえて、利用者やメンバー間の連絡方法に携帯電話を用い、情報の取り扱いに関する注意ルールを守る事、活動期聞を3ヶ月から6ヶ月に延長、更に単発の受信日サポートなどを加え、継続支援以外のケースについても受け入れる等の改善を加え、平成17年12月から本格実施として活動を開始している。現在5ケースに対して、学生、地域住民の混成チームで、円滑な活動を継続中である。 4,異なる条件下での試み 地域及び組織体制の異なる大学での試みとして、同活動を研究分担者の大学において平成17年11月から開始した。ボランティアに関する基本的学習、技術取得、チーム編成の準備経過をふまえて、9人の看護学生による3名の母親の支援を実施し、現在、ほぼ同様の成果を収めつつある。地域住民参加のない大学関係者のみの活動として、今後は地域の子育てイベントへの参加等から、活動のPRを含めて発展させる予定である。
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