平成15年度の目標 術後疼痛管理の概念検討を行い、術後疼痛管理スタンダード及び教育内容・方法の試案を作成する。 研究方法 1.文献検討を通して、研究者が術後疼痛管理スタンダードの素案を明示した。 2.本研究の主旨を承諾し協力が得られた周手術期患者の術後疼痛管理に携わる麻酔科医師・病棟管理者・臨床看護師等から編成するプロジェクトチームを編成し、定期的に会議をもち作成した術後疼痛管理スタンダードと教育内容・方法についての検討を行った。 3.作成した術後疼痛管理スタンダード及び教育内容・方法の試案について修正及び改善を図るため、本研究の主旨を承諾し協力が得られた3病院の看護部にヒアリングを行った。 4.教育内容を具現化する一案として術後疼痛管理の概念についての視聴覚教材の作製を行った。 研究成果と今後の計画 術後疼痛管理スタンダード(案)は、(1)患者の権利と倫理、(2)管理環境、(3)急性疼痛サービスの体制、(4)継続的な質の改善、(5)研究、(6)他職者との協働・連携、(7)アセスメント、(8)計画と実践、(9)評価として構成した。また教育プログラム(案)として(1)知識習得に関するもの、(2)技術習得に関するもの、(3)専門職としての態度に関するもの、(4)問題への対処行動に関するものを構築し、その教育内容を明確にした。 また術後疼痛管理に関して観念的な学習だけでは臨床看護師の責務を理解することには限界があるため、視聴覚教材も試案の一部として作製した。今後は更なる術後疼痛管理スタンダード(案)とその追従となる教育プログラム(案)の実現可能性を追求するとともに、臨床現場での術後疼痛管理実態調査及び術後疼痛管理教育プログラムの効果を明確にする。
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