目的:産後1か月の母親の子育てに関する状態を明らかとする質問紙を開発すること。 方法:平成15年度の結果から、5カテゴリー、25項目の「産後1か月の母親の子育て到達度質問紙(案)」を作成した。5月に産褥1か月健診を受診した母親5名にプレテストを実施した結果、本質問紙の回答に対して、質問項目のわからなさ、回答のしにくさは認められなかった。回答に要する時間は、2〜3分であった。本調査:質問紙配布期間:7月9日〜12月28日。配布対象:研究協力の得られた5施設の産後1か月健診を受診する母親500名。配布手順:研究協力依頼を研究者、もしくは外来の看護職、あるいは受付担当者が口頭と書面で行い、承諾の得られた母親に手渡した。回答は、診察の待ち時間、診察後に行うように依頼した。分析方法:構成概念妥当性のため主因子法、プロマックス回転を用いた因子分析を行った。併存妥当性の検証には、育児困難感を測定する尺度である「子ども総研式 育児支援質問紙」を用い相関係数を求めた。信頼性の検証にはCronbach α係数を算出した。 結果:質問紙配布総数500部、回収部数479部(回収率95.8%)。作成した質問紙すべてに回答し、1か月健診の時期が、産後28日から35目までの271部(有効回答率56.6%)を有効回答とした。因子分析の結果、4因子が抽出され、因子名とCronbach α係数は以下の通りである。第1因子「子育てへの自信」(.799)第2因子「体調不良」(.630)第3因子「支援者の存在」(.567)第4因子「育児の実践」(.705)。因子負荷量が低い7項目を除外した18項目のCronbach α係数は.676であった。基準関連妥当性のため、育児の困難感を測定する「子ども総研式育児支援質問紙」との相関係数を求めた結果、Pearsonの相関係数は、-0.68(P=0.001)であった。 考察:今回作成した質間紙は、項目数が少なく、産後の母親への負担は少ない。第1因子「子育てへの自信」については、内的一貫性が支持された。 結論:質問紙としては、さらなる洗練が必要である。
|