研究課題/領域番号 |
15592294
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研究機関 | 広島県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
網島 ひづる 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (90259432)
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研究分担者 |
吉田 彰 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (30136113)
山中 道代 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助手 (60280187)
杉本 吉恵 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (40280185)
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キーワード | 胃切除術 / 視聴覚教材 / インターネット / 退院指導 / 生活指導 / Quality of Life |
研究概要 |
本研究の目的は、胃切除術を受けた患者のQOL(Quality of Life:生活の質)を高めるために視聴覚教材およびインターネットを利用した生活指導を考案・実践し、その有用性を検討することであり、継続的に(3年間)研究を実施する予定である。今回は、胃切除術を受けた患者が退院前後に抱える問題を明らかにすると共に、これまでの退院指導内容を見直すことを目的とした。 方法は、胃切除術を受け退院が決定している患者で研究承諾が得られた20名を対象に、研究者が作成した半構成的質問紙を用いた面接および日本語版Hospital Anxiety and Depression Scale : HAD、Visual analogue Scale : VAS(食の満足度を測定)などを用いた質問紙調査、体重測定を退院前と退院2週間後の計2回実施した。面接調査の内容は体調・生活状況、心配・困っていること、自己管理に対する姿勢、サポートとした。その結果、胃切除術を受けた患者は、退院前後に【退院後の自己管理に自信がない】【再発の不安がある】などの心理的な問題、【摂取量の適量がわからない】【食事をとる回数に迷ってしまう】【間食をとりすぎる】などの食事に関する問題、【体重が増えない】【貧血が持続している】などの身体的な問題、【迷った時に相談する相手がほしい】などのサポートに関する問題を認識していた。HADでは、不安得点は退院前が退院後よりも高く、抑うつ得点は退院前・後でほとんど変わらなかった。また、食事の満足度は退院前より退院後が高かった。ほとんどの患者が退院時の体重を退院後も維持していた。以上から、これまでの退院指導内容を見直したが、食事に関しては摂取量の適量の決め方、回数や間食との調整の仕方などの内容を増やすことを検討すること、退院前後の不安・抑うつの変化を考慮して内容を検討することが重要であることが示唆された。 今後はさらに内容を検討し、退院指導で用いる小冊子およびビデオ作成を進める予定である。
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