昨年度の計画に基づき研究を行なった。 1.ストレス尺度であるSCI(Stress Coping Inventory)測定スケールを妊婦に用いる上での問題と妥当性の検討について 調査協力へ同意の得られた妊婦94名中SCI分析の出来た57名と大学生84名のSCIを比較検討した結果(1)妊婦の各SCI値は、大学生に比べ全て低い傾向を示したが有意差はなかった。(2)初産婦の逃避型の値は、経産婦より高く、有意差が見られた。(3)初・経産婦ともに妊娠時期別での各SCI値に差はみられなかった。(4)妊娠に関連しているストレス要因をあげた妊婦は、隔離型の値が高く、他のストレス要因をあげた妊婦との間に有意差を示した。この結果から、SCIは妊婦の対処状況の特徴を見る指標になることが示された。 2.母親役割準備に対する質問紙の検討 面接調査により質問項目を抽出し、調査用紙を作成した。現在検討のためのデータ収集中である。 3.妊娠期のストレス対処と出産後の母親としての児への対応との関連について 現在データ収集中である。
|