研究課題/領域番号 |
15592319
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
半澤 節子 長崎大学, 医学部, 講師 (50325677)
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研究分担者 |
太田 保之 長崎大学, 医学部, 教授 (50108304)
田中 悟郎 長崎大学, 医学部, 助教授 (00253691)
稲富 宏之 長崎大学, 医学部, 助手 (10295107)
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キーワード | 統合失調症 / 家族 / 介護負担感 / 介護意識 / 対処技能 / 情緒的支援 / 心身の健康 / 疾患や障害の理解 |
研究概要 |
2年目の調査結果の解析作業を完了し、以下のようなことが示唆された。 長崎県市部、長崎県町村部、東京都の三区分の母親について、社会的生活規範(介護意識)と対処技能などとの関連について、地域間で比較検討した。 その結果、長崎県市部、町村部、東京都の三地域において、母親の介護負担感に関連する要因に、いくつかの相異がみられることが示唆された。 たとえば、三地域のいずれの地域でも共通していたのは、(1)情緒的支援が得られている母親ほど、肯定的な介護経験が得られ、母親が介護状況に対してあきらめているほど、精神障害者を威圧し、回避し、(2)我が家に他人が来ることを精神障害者が好まないほど、母親は精神障害者を回避しやすく、そうした母親はこのような介護状況に対してあきらめていた。つまり、母親自身ではどうすることもできない介護の現実にあきらめていることが、精神障害者を威圧し回避するといった不適切な対処技能を引き起こし、他者の侵入に警戒心を持ちやすい精神障害者を気遣う母親は、母親自身も精神障害者を回避しやすい。こうした傾向はいずれの地域にも共通していた。 一方、(3)長崎県(市部及び町村部)で共通していたのは、母親の介護負担感が深刻なほど、精神障害者に対して威圧や回避という対処がみられ、母親の回避は、母親自身の心身の健康状態の悪化、とりわけストレスによる精神的な健康の問題を反映していた。さらに、(4)東京都のみで、他者に世話をされることを好まない精神障害者を抱える母親は、回避がみられた。 以上のことから、母親の介護意識による介護負担感や対処技能などへの影響は、地域間で較差があることが明らかになった。従って、介護意識などの社会的生活規範による地域特性を考慮した、家族支援を検討する必要性が示唆された。
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