研究概要 |
1.「G県G地区の特別養護老人ホームの現状と看護職が認識している看護活動の課題(第3報)」 岐阜県下の特別養護老人ホーム,入所者および看護活動の実態を把握するため,平成13年度から各施設を個別訪問し,看護職を対象に面接調査を実施している。平成15年度は,G地区の全特別養護老人ホーム23施設の看護職を対象に個別訪問して面接調査した。その結果,施設の特徴として,1990年代の社会福祉法人の80・100床で何らかの併設施設を有している施設が多い傾向を示し,職員構成では,医師・栄養士は嘱託が,生活指導員・介護福祉士は専任が,理学療法士・作業療法士は雇用なしが多い傾向を示し,看護職の雇用形態は様々であった。入所者の特徴は,中等度〜重度痴呆の後期後期高齢女性が多く,かつ要介護度4〜5で外出・外泊の機会が少ない傾向を示した。看護活動は,44看護行為を示して調査した結果,「日常的に実践している看護行為」よりも「大切にしている看護行為」が,さらに「より充実(強化)したい看護行為」の占める割合が低かった。このことにより看護職が実践している日常的看護行為は,実践しているほどには,大切に思ったり,充実したいと考えていないことが示唆された。 2.「特別養護老人ホームにおける盗食・異食のある痴呆性高齢者の援助」 特別養護老人ホームに入所している痴呆性高齢者で盗食・異食行為のために対応困難で苦慮していた2事例に対して,「高齢者の自我発達を促進する看護援助」で明らかになっている援助方法を基盤に検討して適用した結果,これらの行為が消失するだけでなく精神的に安定するという好結果が得られた。
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