研究課題/領域番号 |
15592328
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
白井 みどり 名古屋市立大学, 看護学部, 助教授 (30275151)
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研究分担者 |
荻野 朋子 名古屋市立大学, 看護学部, 助手 (40241210)
今川 真治 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 助手 (00211756)
臼井 キミカ 大阪府立看護大学, 看護学部, 教授 (10281271)
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キーワード | 痴呆性高齢者 / 生活環境 / 感情反応 / 行動分析 |
研究概要 |
1.痴呆性高齢者の感情反応に基づく生活環境の査定方法の開発 痴呆性高齢者の安楽を目的に、生活環境を刺激とし、行動や表情を反応とする痴呆性高齢者の生活環境刺激-反応モデルを作成した。このモデルに従い、次のような査定方法を開発した。 ・痴呆性高齢者を対象とするため、言語以外の反応として具体的な行動を観察し、Emotinal Responses as Quality Indicators in Dementia Care(ERIC)による感情評価を行う。また、これらの反応と同時に生活環境を観察する。 ・観察は撮影マニュアルに基づき、ビデオカメラを用いた直接観察とする。 ・映像は行動分析的手法によりデータ化し、対象毎に時系列に表す。 ・行動とERIC、同時に観察された生活環境について、Proffesional Enviornmental Assessment Protocol(PEAP)日本語版3に添って査定する。 2.開発した査定方法の有効性の評価 開発した査定方法を以下のとおり実施し、その有効性を評価する。 (1)対象:愛知県内某老人保健施設に入所する中等度以上の痴呆性高齢者10名 (2)方法:連続した3ヶ月に月1回連続3日間撮影した。1ヶ月目(第1期)に開発した査定方法を用いて生活環境を査定、2ヶ月目(第2期)に生活環境を操作、3ヶ月目(第3期)に追跡を行った。 (3)結果:第1期での査定により、不適切な生活プログラム、入所者・職員による過刺激、車椅子の不適切な使用など、痴呆性高齢者個々の生活環境の問題が考えられた。第2期では、第1期で得られた結果に基づき生活環境の操作を行ったところ、高齢者の感情反応や行動は肯定的に変化した。第3期では施設職員が第2期同様の操作を継続した対象では、より一層の肯定的変化が見られた。
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