1.一般的なアサーティブネスを評価でき、諸外国の研究との比較が可能な活用範囲の広い尺度RASの日本語版開発を試みた。 日本語版を作成する許可をAssociation for Advancement of Behavior Therapyより得た(2002.11)。RASを日本文化に適応させるためback-translationを行い、研究会で検討し最終的な日本語版RASを完成させた。そのRASを看護学生103人のサンプルで信頼性と妥当性を検討した。その結果、テスト-再テスト法(r=0.86 p<0.01)及び折半法(r=0.72〜0.80 p<0.01)で信頼係数が高かった。日本語版RASのクロンバックの信頼係数は0.82〜0.84(p<0.01)であり、内的整合性が高かった。因子分析では、7因子が抽出され、原版のRASとは、若干の違いがあったものの妥当性が高い可能性が示唆された。さらに新人看護師989人を対象に信頼性妥当性を検証した。その結果、折半法r=0.76(p<0.01)で信頼係数が高かった。Cronbachの信頼係数は0.84(p<0.01)であり、内的整合性が高かった。因子分析では、8因子が抽出された。RASとほぼ同様の結果がえられ、妥当性が高い可能性が示唆された。 2.大学病院に勤務する新人看護師の特性及びアサーティブ行動のバーンアウトへの影響に関する縦断研究を行った。 2001-2002年度版病院要覧に掲載されている全国の大学病院及び大学の付属病院(精神病院を除く)のうち病床総数400以上の病院102を選出し、看護部長宛にはがきを出し、一次調査を行なった。そのうち二次調査の了解を得られた41の大学病院に更に詳しく文書にて研究を依頼し看護部長から了解をえた20の大学病院常勤の新人看護師に質問紙調査をおこなった。本年度:1回目2003年6月、2回目2003年11月が終了した。
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