各国から報告されてきている視覚に関するQOL調査用アンケート項目が、生活習慣や文化の違う日本で国際的比較が可能であるかをLow Vision高齢者QOLについて検討した。 1.15年度 (1)NEI-VFQと緑内障31項目(GLQ31-UJ)の比較 予備調査をかね、既に報告した緑内障31項目をベースに、さらに比較的使用報告が多いNEI-VFQ(米国)を用いて、大阪市立大学附属病院眼科外来のLow Vision高齢者にアンケート調査を行って、両者を比較検討した。その結果、他の眼科疾患に比べ、緑内障患者では精神心理項目で、良好な視力であっても、とくに男性においてQOLが低下していた。Quality of life of elderly glaucoma patients in Japanと題してまとめた。 (2)NEI-VFQ25(米国)、LVQOL(豪州)、GLQ31-UJ(日本)の3つのアンケートを同時に同一人に行い比較検討した。調査対象は、視覚障害がある高齢者で、大阪市立大学附属病院およびオーリンクリニックの眼科外来に通院している患者を対象とした。第1回目面接調査後、1、2週後に郵送による再調査を行った。 2.16年度 収集したデータの入力と解析を行い国内学会でその一部を発表した。 (1)第1回目の面接調査では215名、第2回目は141名、第3回目は136名の有効回答者のデータが得られた。データはSPSSを用いて解析を行った。 (2)第20回日本眼科看護研究会では、NEI-VFQ25とLVQOLの信頼性について、第9回日本老年看護学会では、GLQ31-uJとNEI-VFQ25との比較検討を報告した。 3.17年度 NEI-VFQ25、LVQOL、GLQ31-UJの3者を比較検討し、自動車運転とインフォームドコンセント項目などが日本人には適さない旨、第15回ヨーロッパ眼科学会で発表した。
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