1.BADおよびBcl-XLの変異体作製 BH3ドメイン内の二塩基を置換したBAD変異体を作製した。この変異によって、リン酸化能が喪失し、Bcl-2及びBcl-XLとの結合能を失っていることが判明した。この結果、アポトーシス誘導能さらにミトコンドリアへの局在能が失われることが判った。BH3ドメイン内の一塩基置換によるBAD変異体が、Bcl-XLとの結合能が保たれおり、アポトーシス誘導能を保持していることから、Bcl-XLとの結合能がアポトーシス誘導能に必須であり、ミトコンドリア局在能と関連していることが判明した。一方、Bcl-XLのc-末端の変異を加えることにより、Bcl-XLのミトコンドリアへの局在能が失われるが、BADとの結合能があるとBADのアポトーシス誘導能は阻害されることが判明した(安達)。 2.BAD融合蛋白を利用したTOF-mass GST-BAD融合蛋白を用いて、HeLa細胞やHEK293細胞中に存在するBAD結合蛋白をPull-downし、SDS-PAGE上で見出されるバンドよりTOF-massによってその結合蛋白質の同定を行った。Bcl-XLを含めたBcl-2ファミリーや14-3-3などが検出されたが、新規分子と思われる結合蛋白は同定されなかった。このことは、Bcl-XLがBAD蛋白の重要なシャペロン分子であるとの結果を裏付けるけるものと思われた(今井)。
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