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2003 年度 実績報告書

筋芽細胞分化に伴うアポトーシスにおけるDNaseγの役割

研究課題

研究課題/領域番号 15603006
研究機関東京理科大学

研究代表者

塩川 大介  東京理科大学, 薬学部, 助手 (90277278)

キーワードアポトーシス / 細胞分化 / 遺伝子発現 / 転写調節 / エンドヌクレアーゼ
研究概要

興味深いことに筋芽細胞アポトーシスのDNA断片化は分化過程にある細胞では顕著に観察されるが、未分化細胞に於いては全く検出されないことが報告されている。我々はこの現象に着目し研究を行い、筋芽細胞分化に伴いDNaseγ遺伝子発現が誘導されること、さらにこのDNaseγが分化依存的DNA断片化を触媒することを明らかとした。以上の研究成果を踏まえ、我々は分化過程にある細胞ではDNaseγ依存的通常とは異なるアポトーシス経路が存在するのではないかという着想に至った。本年度の研究に於いてはまず筋芽細胞のアポトーシスに焦点を絞り、筋芽細胞分化過程におけるDNaseγ遺伝子発現制御機構の解明を目標に実験を行なった。
筋芽細胞分化に伴う遺伝子発現変化は、MyoDを始めとする筋特異的転写因子群により制御されることが知られている。そこでまずDNaseγ遺伝子発現制御に於ける当該筋特異的転写因子の関与について検討を行った。
マウスC2C12細胞を用いて、筋特異的転写因子、MyoD, Myf-5, myogenin, MRF-4強制発現による内在DNaseγ遺伝子発現誘導の可能性について調べた。RT-PCR法による解析より、これらの転写因子のうち特にmyogeninが内在DNaseγ遺伝子発現を強く誘導することを見いだした。ルシフェラーゼレポーターベクターによるDNaseγ遺伝子プロモーター活性の評価により、myogeninはDNaseγ遺伝子5'上流領域に存在するE-box配列を介しDNaseγ遺伝子発現を正に制御することを明らかとした。さらにEMSA法を用いた解析により、myogeninの当該E-box配列に対する結合能を示した。
本研究に於いて筋芽細胞分化過程に於けるDNaseγ遺伝子発現制御機構が明らかとなった。またDNaseγ遺伝子の発現は、組織、細胞、分化状態、癌化により大きく変化することが知られている。すなわち本研究において得られた知見は、DNaseγ遺伝子の発現制御機構を理解することのみならず、細胞の分化、癌化のメカニズムの解明、さらには新たな視点からの制癌剤の開発につながることが期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Daisuke Shiokawa: "Identification of two functional localization signals in DNase gamma and their roles in its apototic DNase activity."Biochem J.. 376. 377-381 (2003)

  • [文献書誌] Daisuke Shiokawa: "Involvement of DNase gamma in apoptotic DNA fragmentation in histiocytic necrotizing lymphadenitis."Virchows Arch.. 443. 170-174 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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