研究課題/領域番号 |
15603009
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研究機関 | (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団 |
研究代表者 |
高橋 真由美 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所, 助手 (50133632)
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研究分担者 |
白澤 卓二 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所, 参事研究員 (80226323)
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キーワード | clk-1遺伝子 / アポトーシス / CoQ / ウルトラディアンリズム / Tet-offシステム |
研究概要 |
1.clk-1欠損マウスにおけるアポトーシスとウルトラディアンリズムに対するCoQの関与 胎生致死直前(E10.5)のclk-1欠損(ホモ)マウス由来細胞は10%FBS添加培地で培養可能で野生型に比べ細胞増殖が遅かった。増殖の遅れは細胞分裂の遅延とアポトーシスの多発に起因していた。Clk-1の遺伝子産物はCoQの合成酵素である為、培養系にCoQを添加し影響を検討した結果、CoQ10添加によりホモ細胞の細胞分裂の遅れは完全にレスキューされアポトーシスの発生も減少した。またホモマウスは心臓の拍動リズムの遅延も観察された為、器官培養したホモマウス胎児の心臓にCoQを投与した結果、拍動リズムの遅れが完全にレスキューされた。これらの結果から、CoQは細胞のアポトーシスだけでなく分裂や心拍リズムなどウルトラディアンリズムの調節にも関与することが示唆された。さらにCoQ10添加によりホモ細胞のミトコンドリア膜電位の上昇が認められ、CoQの作用がミトコンドリアを介していることが示唆された。 2.Tet-offシステムを用いたclk-1遺伝子発現改変マウスの解析 昨年度作成したトラシスジェニックマウスは交配を行い継代的にトランスジーン(tg)が保持されていることを確認した。またマウス尻尾のLacZ染色によりドキシサイクリン(Dox)投与でclk-1遺伝子発現が調節可能であることを確認した。そこでtgを持ったclk-1ヘテロマウス同士あるいはclk-1ヘテロマウスとを交配させて、ホモマウスの作製を試みた。Dox非投与下において約9ヶ月交配を繰り返したが、胎生致死をレスキューすることが出来ずホモマウスは出生しなかった。その理由としてTetシステムの介在による遺伝子発現の変化、Dox非存在下での最大発現量の不足、導入された遺伝子の数の不足などが考えられたが原因の特定には至らなかった。現在交配の継続は中断している。
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