研究課題/領域番号 |
15603010
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研究機関 | (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団 |
研究代表者 |
半田 節子 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所・加齢臓器障害研究グループ, 研究助手 (30360697)
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研究分担者 |
久保 幸穂 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所・加齢臓器障害研究グループ, 研究助手 (00280769)
石神 昭人 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所・加齢臓器障害研究グループ, 研究員 (50270658)
丸山 直記 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所・加齢臓器障害研究グループ, 参事研究員・副所長 (00115940)
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キーワード | アポトーシス / SMP30 / 老化 / 肝臓 / Akt / ノックアウトマウス / TNF-α / アクチノマイシンD |
研究概要 |
加齢指標蛋白質30(SMP30)は、ホルモンによる影響を受けず、雄雌共に加齢に伴い肝臓や腎臓で減少する蛋白質として発見した。SMP30遺伝子を欠損させたSMP30ノックアウトマウスの肝細胞では、TNF-αとアクチノマイシンDにより誘導されるアポトーシスに非常に高感受性であった。また、Fas抗体を用いたin vivo実験に於いても同様の結果が得られた。本課題では、SMP30が持つアポトーシス抑制作用の分子機構を明らかにすることを研究目的としている。今年度、以下に示す研究成果を得ている。 (1)SMP30を高発現させたHepG2細胞では、TNF-αとアクチノマイシンDにより誘導されるアポトーシスに抵抗性を示すことを明らかにした。また、SMP30高発現HepG2細胞では、生存シグナル系に働くAktの活性化(リン酸化)が起こっていた。これは、SMP30がAktを介する生存シグナル系に促進的に働いていることを強く示唆している。 (2)SMP30ノックアウトマウスの肝細胞はアポトーシスに対して非常に高感受性であった。電顕による細胞内微細構造の観察から、ミトコンドリアの著しい障害が観察された。即ち、ミトコンドリアが膨潤化し、クリステが非常に不明瞭であった。また、アポトーシス誘導時に観察されるミトコンドリアから細胞質へのチトクロームCの遊離が定常状態でも観察された。 今年度、SMP30がAktを介する生存シグナル系に関与することを明らかにした。また、SMP30の遺伝子を欠損させることにより、アポトーシスに非常に高感受性になる。今後は、この研究成果を踏まえ、SMP30がAktを介する生存シグナル系にどのように作用しているのかをSMP30高発現HepG2細胞やSMP30ノックアウトマウスを用いて詳細に解析する。
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