研究課題/領域番号 |
15604014
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
柳 英克 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 助教授 (10325889)
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研究分担者 |
西野 由希子 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 助手 (70325900)
木村 健一 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 助教授 (60280327)
美馬 義亮 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 講師 (60325892)
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キーワード | アート / メディア・アート / リフレクション / インタラクティブシステム / ドローイング / 抽象絵画 |
研究概要 |
自己の内面とインタラクティブに対峙する「デッサンツール」を「作品生成装置」として作成した。ツールの機能的特徴は、デザインパターンを高速・大量に半自動生成するところにある。ユーザは自分の指定した基準で生成されるパターンを繰り返し見ることで「表現と評価の作業」を容易に体験することが出来る。従って、その応用分野は大きく分けて二つあり、一つはデザイナの発想と描画という作業を効率化させるドローイングツールの分野であり、もう一つはデザインの初学者に絵画的センスを身に付けさせる教育用ソフトの分野である。 ドローイングツールの有効性を検証する応用として「日本ソフトウェア科学会」など複数のプロシーディングス表紙デザインを行い採用された。この使用によって、デザイナの個性を数値化したマクロプログラムの活用が、高度なグラフィック表現に有効であることが実証された。教育用ソフト面の有効性を検証する応用としてワークショップとミュージアムでの1年間に及ぶインスタレーションを行った。ワークショップは小学生24名の参加者が作品を制作し、巨匠の抽象絵画と同じ環境下で比較評価を行った。この実施結果から、小学生が「デッサンツール」を使用することで、抽象絵画を理解し質の高い作品制作の出来ることが確認できた。また、埼玉県Skip Cityの映像ミュージアムに「デッサンツール」を常設展示し、ユーザによる膨大な作品データを収集した。この分析結果から、ユーザが直感的にツールを使用し、生成された作品に対してリフレクションを繰り返し作品の質を高めていく過程が明らかになった。次年度の準備として、「デッサンツール」をインストールするメディアテーブルのプロトタイプを制作した。これによって、創造性の発現といった個人レベルでの対話性が人と共有できるものとなり、ドローイングツール・教育ソフトの両面だけではなく、メディア・アートへの応用と拡張性が確認できた。
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