研究課題
情報科学に関する講義は、ほとんどの学生がある程度の意欲を持って取り組むが、数学、物理等の理科系基礎科目の講義においては、なかなか意欲を持って取り組める学生の割合が少ないように感じる。その理由の一つとして、理科系基礎科目においては、「その学問がいかに大切なのか、なんに役立つのか」ということが学生にとってわかり辛い点が考えられる。そこで、本研究では、学生が比較的興味を持つ「コンピュータの仕組み」を例に挙げ、コンピュータを構成する各部において、その原理を数学、物理等の理科系基礎科目の範疇で解説を行うことで理科系基礎科目の一部分の習得を狙うと同時に、いかに基礎科目の習得が重要であるかを認識させることを目指したオンライン教材の作成および評価を目的とする。本年度より熊本大学において、学務情報システムSOSEKIと連携し、全学生、全教官、全科目が登録されたラーニングマネージメントシステムWebCT上でコンテンツの整備、学内試験公開を行った。また、最近急成長を遂げているオープンソースのラーニングマネージメントシステムであるMoodleへのポーティングも平行して行ってきた。Moodleは、地域貢献特別支援事業の熊本大学LINK事業における一般市民への講座である「e-Learning Station」の本配信に他、熊本大学情報基盤センターとしても協力している「くまもとインターネット市民塾」でも採用しており、このカスタマイズにも協力している。本年度は、センサ、デジタル、アナログ電子回路、インターフェースに関しての解説と問題開発に重点を置いたが、インターネットの仕組みに関してのJavaScriptによるインタラクティブな解説等を取り入れる等の工夫を行った。Java3Dによる3次元表示、遠隔実験に関してはまだまだ改善の余地があり、来年度継続して行いたい。また、受講者の反応に関しては取得できていないコンテンツもあり、公開、反応取得方法を改善して行きたい。研究分担者の役割は、中野が全体のとりまとめ、物理学関係のコンテンツ作成とJava3Dによる仮想実験を、喜多が数学的解説、サーバサイドの3次元表示、教育用メールシステム関係、秋山が電磁気学関係のコンテンツ作成とビデオストリーミングを主に担当し、Javaによる可視化、シミュレーション、遠隔実験等については協力して開発を進める。なお、本研究に関連して、ICETA2004国際会議(スロバキア,2004年9月)での招待講演を行った。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (9件)
WebCTユーザカンファレンス予稿集 2
ページ: 17-22
ITHET2004, May 31 - June 2, Istanbul, Turkey
ページ: 5
ページ: 4
2004PCカンファレンス論文集
ページ: 2
ICETA2004, September 11 - 13, Kosice, Slovakia (Invited)
ページ: 19-24
WebCT研究会予稿集 2
ページ: 3-8
Journal of Non-Crystalline Solids 234-335
ページ: 398-402
Journal of Non-Crystalline Solids 334-335
ページ: 421-426
ページ: 393-397