研究概要 |
平成15年度の研究においては,最適化問題教示用WEB教材を自動生成するシステムを試作したが,平成17年度は,さらに連立方程式解法教示を対象とする教材自動生成システムを試作した.これにより,昨年度提案した教材自動生成手法が一般的数学問題に適応可能なことが検証できた. 連立方程式解法の教材として以下のような全く種別の異なるカテゴリーの問題を多数生成し,問題なく自動生成可能なことを検証した. (1)マクロ経済学における国民所得決定問題 (2)経営学における需要供給問題 (3)つるかめ算 解法プランは,「与えられた連立方程式を,その中のメイン均衡式の左辺と右辺を別々に解くことにより,未知数の均衡値を求める.その後,他の変数の値を変動させることにより求めた均衡値がどのような影響を受けるか求める」というものである.その説明用プレゼンテーション素材としては,2次元及び3次元のグラフ,FLAShによるアニメーション,しゃべる仮想キャラクタを用意した. 具体的なシステム構築としては,学習院大学全体で数式処理Mapleのサイトライセンスを購入したことを受けて,システムのほぼ大半を書き直した.昨年度のバージョンでは,学生の使うローカルPC上ではMapleが動かないため3次元グラフなどの対話的操作は不可能であった.今年度開発したバージョンでは,グラフ描画スクリプト(maplet)を自動生成し,それを学生PC上で起動するように改良した.これにより対話的操作が可能となった.またMapleのバージョンが上がり,MapleとCGIプログラム間のAPIモジュールが利用可能となったので,効率化を図るためAPI部分及びMaple計算モジュールを全面的に書き直した.また,学生に対して行ったアンケートをまとめ,内容が理解できない学生はどの部分で行詰まりが多いかを分析した.
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