研究課題/領域番号 |
15607005
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小柳 義夫 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (60011673)
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研究分担者 |
須田 礼仁 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (40251392)
西田 晃 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (60302808)
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キーワード | 線形方程式 / 反復解法 / マルチグリッド法 / 並列処理 / 領域分割 / 異方性問題 / データ構造 / ベクトル計算機 |
研究概要 |
大規模な線形問題を解くために、問題行列から未知数を減少させてより扱いやすい問題をつくり、これを用いて解くマルチレベル解法が研究されているが、この研究ではスムーズド・アグリケーション・代数的マルチグリッド法(SA-AMG法)およびこれを前処理とした共役勾配法について研究した。並列計算機上に反復法アルゴリズムを実装するが、この場合アグリゲート生成を領域分割とどのように関係づけるかが問題になる。本研究では、混合アグリゲート生成法を含めて6通りのアグリゲート生成法を比較し、種々の3次元問題について収束速度などを比較分析した。異方性に弱いと言われている独立アグリゲート生成法も、アグリゲートを境界から生成し、また最も粗いレベルで直接解法を適用することにより、異方性問題にも対応できることを示した。実装としては最大1562万自由度の3次元ポアソン方程式や、1607万自由度の3次元剛体の問題、異方性のある819万自由度の問題などを並列実装した。さらに、ベクトル計算機上への実装を研究した。ベクトル計算機は規則的演算に対して高い性能を示すが、不規則構造を有するマルチレベル解法に有効かどうかを分析した。NEC SX-6I上において、最も演算時間を要求する疎な3行列の積の計算について、データ構造による違いを比較した。この場合、疎行列のデータ構造としては、JDSとCRSを用いた実装が一番高速であり、3行列の積の演算に対して約1Gflopsの速度を実現した。
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