研究課題/領域番号 |
15607005
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小柳 義夫 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (60011673)
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研究分担者 |
須田 礼仁 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (40251392)
西田 晃 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (60302808)
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キーワード | 連立一次方程式 / マルチグリッド法 / 共役傾斜法 / 前処理 / 並列化 / 負荷分散 / 偏微分方程式 / ネットワーク |
研究概要 |
共役傾斜法などのKrylov部分空間法の前処理としては、並列性が高く、かつ収束加速性のよいものが必要であるが、この二つの条件はしばしば矛盾する。並列性の高い前処理は、幾何学的に距離の近い領域の情報しか参照しないので、残差の長波長成分を収束させることができず、収束が遅くなる。この両者の条件を兼ね備える前処理手法として、代表者らはマルチグリッド前処理を提唱し、その高い性能を実証してきたが、 本研究では、これをさらに非構造格子に拡張し、任意形状領域の場合や、物理定数に異方性がある場合への適用について研究を進めた。特に、元々の格子(メッシュ)から、どのようにより粗いメッシュを生成するかが問題であり、それによって、並列性や収束特性が定まる。SA-AMG法では、問題行列からサイズの小さい行列を生成し、効率よく解く方法であるが、粗いメッシュを生成する際に、並列化のための領域分割の境界をどう取り入れるかが問題であり、これについていくつかの知見を得た。特に、異方性問題に対しては、境界からアグリゲートの生成をはじめる方法とその性能を分析した。 並列実装技術の基盤的な研究として、有限サイズのmulti-master divisible load問題についての再分散佑ジーリング問題について研究し、いくつかのパラメータを同定することにより、シミュレーションが実システムの振る舞いを正しく再現することを示した。関連する問題として、並列分子動力学のデータ分散の問題についても研究し、ノード間相互接続ネットワークのバンド幅やレーテンシが一様でないばあいについて、最適な並列分散を与える方法を求めた。これらの基本的な技術が、マルチグリッド法の多様なプラットフォーム上での並列実装にどのように生かせるかは今後の課題である。
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