研究概要 |
1.研究内容 数センチ以下の飛行機を動力・制御装置なしに、地上からのレーザーにより飛行させる。動力はレーザー照射によるアブレーションで供給される。多数の紙飛行機を空に飛ばし、同時に別のレーザーで距離の測定と炭酸ガスの吸収率を測定し、炭酸ガス分布を三次元トモグラフィによって測定する方法を確立する事で京都議定書により2008年から実行に移される炭酸ガス削減の監視方法を提供する。この方式では、従来の単に金属や気体を加熱する方法とは全く異なり、水を高圧で噴き出す事で従来方法の千倍を越す駆動力を発生できる。このアイデアは1976年に矢部によって提案されたが、水を用いる方式は環境にも優しく推力が大きい事から世界的にも脚光を浴びている。例えば、Nature Science Update 2002/6/10,New York Times 2002/7/2で大きく報道された。 2.本年度の研究実績 (1)三次元シミュレーション 以前我々が提案していたターゲットに金属を用いる手法は金属ガスが環境に影響を及ぼす可能性がある事から、金属を用いない水膜のみを用いたWater Film Cannon(WFC)ターゲットを開発した。更にレーザー吸収過程に基づくプラズマ生成過程を付加した、高精度固気液統一解法であるCIP法による3次元シミュレーションコードを用いてターゲットの挙動・現象の解析を行い、ターゲットの最適設計を行う事に成功した。 (2)追尾方法の検討 飛行機の動きを追尾する為のレンズ系・センサー系の検討及び、制御システムの検討・開発を行った。 (3)マイクロ飛行機の高推進化 より効率が高く小型の推進を目指してまずはWFCターゲットの基礎的実験を行い、実験結果をシミュレーションにより再現・物理現象の解明に成功した。更に融解・蒸発過程を含めた現象を計算し、最適な水膜厚さ等を調べる事で高推進化を図った。
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