研究課題/領域番号 |
15607012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計算科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小貫 明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90112284)
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研究分担者 |
山本 量一 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10263401)
北村 光 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60335297)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | ガラス / 塑性変形 / 格子欠陥 / 構造緩和 / 多結晶 |
研究概要 |
まず合金の2相状態の塑性変形機構を3次元計算で解明しつつある。紐状の格子欠陥が密に柔らかい相の内部に発生することを計算で示した。この事実は実験と対応している。我々の仕事は塑性変形の機構は1相状態と2相状態で大きく異なることを例示している。 次にガラスは大きさの異なる2種類の粒子系の混合で作られる。そのサイズ比を変えていくと結晶からガラスへの移り変わりが起こる。乱雑パラメータという構造的不規則性を特徴づける量を導入した。またせん断流のもとでは、多結晶状態では巨大な応力揺らぎが発生することを見出している。乱雑性の増したガラス状態ではむしろ応力揺らぎが小さくなる。 そして固体での非線形弾性論を構築した。弾性エネルギーをストレインの周期関数と考える。この理論モデルに基づく計算機実験により格子欠陥を大量に含む塑性状態が自然に記述できる。またガラス状態は格子欠陥が密に存在する状態と考えられる。格子内の自由体積(隙間)の拡散過程と非線形弾性変形が結合してゆっくりとした構造緩和が起こるという考えを提出し計算例で具体的に示した。 van der Waals理論は統計熱物理学における金字塔であるが、気液界面の記述は不可能な理論と思われている。だがvan der Waalsこそ界面を記述するため密度の勾配に起因する自由エネルギーを考えた最初の人である。それでも熱が流れ蒸発・液化が起こる非平衡状態の記述はだれも出来てない。温度不均一の場合の相転移とは? 温度の非平衡状態の定義? これら普遍的疑問にも答えるべく、密度の勾配に起因するエントロピー・内部エネルギーを導入して動的van der Waals理論を構築した。
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