研究課題
最近の国際比較調査のは、日本の成人の科学リテラシーが先進諸国の中で最低水準にあることを指摘している。今後著しく高度科学技術化するとともに、「科学技術立国」を目指さざるを得ない我が国は、科学技術の興隆と活性化がますます求められる。他方で、科学技術に関連したさまざまな社会問題の出現も予想される。しかも我が国の人口に占める成人・高齢者の比率は高まる一方である。こうした科学技術を巡る21世紀の我が国の状況を展望するとき、学校教育に限定された科学教育の研究のみでは全く不十分であり、対応できない。にもかかわらず、我が国の生涯学習における科学教育の問題は全く等閑に付されているといっても過言ではない。我々の全国調査(によれば全国の生涯学習センターにおいては、科学関連の講座の貧弱さ・低迷・不人気ぶりは極めて深刻である。したがって、まさしく21世紀の我が国の科学教育研究には、生涯学習社会における成人に対する科学教育の充実の方途と問題の解明が強く求められるのである。そこで、本研究企画は、今後の科学教育研究の重点を形成する生涯学習社会における科学教育を研究するためのパラダイムの構築をめざし、そのための企画と調査を多面的総合的(文化的・歴史的・社会的・国際比較的・実践的・経済的・政治的・教授論的・施設設備的・制度的・カリキュラム的等々)に行った。主な点は下記の通りである。(1)生涯学習における科学教育について、科学教育力の再生産の視点から生涯学習と学校教育のサイクリックな関係のモデルを構築した。(2)大学の科学技術経験厩舎のキャリア選択の要因を調査し、分析した。(3)日本人の化学巻・議事°ユッカンについて調査しその特徴を解明した。(4)学外の学習環境としての科学系博物館の状況を解明した。
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