研究分担者 |
中田 聡 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (50217741)
石渡 哲哉 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (50334917)
長山 雅晴 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (20314289)
山口 智彦 産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員 (70358232)
森 義仁 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (10239626)
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研究概要 |
研究計画の基づき本研究課題に関する調査を行った。まず、京都大学にて企画会議を行い,調査方針の確定・調査対象の選別・調査派遣研究者の決定を行った。この決定に基づき8月に札幌にて調査会議を開催,反応拡散系・皮膚科学・ポストゲノムの研究者を招いて講演をしていただいた。この三件について分担者らは評価および検討を加え,調査の具体的な評価基準を決定した。 札幌での会議の成果を受け,9月は数理側の分担者と実験側の分担者がペアとなって国内外で開催された関連する研究集会へ参加・調査を行った。海外の研究集会としてはハンガリー・ブダペストで開催されたCMFF03,アメリカ合衆国ニューヨークで開かれたアメリカ化学会年会,スペインパルマ・デ・マヨルカで開催されたDynamics Days 2003,一方国内の研究集会としては新潟で開催された日本生物物理学会,日本物理学会に参加した。この調査の結果を10月にお茶の水大学にて分担者全員で詳細に検討した。最後に12月に京都大学で開催された「非線形反応と協同現象の数理」に参加し、国内における当該課題の研究についてさらに調査した。 調査の結果,反応拡散系理論と流体理論が融合するという視点で、いくつか今後に繋がるものがあった。具体的には以下の二点である。 (1)非均一場における化学反応理論:従来の化学反応速度理論は場の均一性を仮定して展開されているが、実際には複雑で非均一な流れ場で反応が起きている。今後はこの流れの非均一性を考慮した新しい反応現象という視点で実験および数理的研究がすすむ可能性がある。 (2)反応が流れにおよぼす影響:化学反応が起こることによって発熱・密度変化・表面張力変化などの物性変化と流れの相互作用から現象を探ることが可能。 これらの成果は調査ノートとしてとりまとめ、来年度に関係者に配布。さらなる議論をすすめる予定である。
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